『ないしょのココナッツ』
富所和子(小学館 1993)
<むつき>
今回からTS作品の紹介をしてみようと思います。
<シノブ>
ようやくTSサイトとしての体裁を整えようという感じになりましたね。
<むつき>
まァTS作品と言ってもたくさんあるし、他所のサイトでもたくさん取り上げられてるし……ってことで、何から書けばいいのか迷ったんですが。とりあえず今回は、私がこの道にハマったきっかけの作品、『ないしょのココナッツ』で。
・概要 入れ替わり
小学三年生のココ(内木香子)とナッツ(山口夏樹)は、くしゃみをすると体が入れ替わる。
<シノブ>
前にもチラッと話に出た漫画ですね。管理人さんの人生に取り返しのつかない影響を与えたという……。
<むつき>
ええ、ええ。コレの連載当時ちょうど小学生だったもんで、思い出深い一作です。入れ替わりというのを生まれて初めて見たんで、子供心に凄まじい衝撃でしたな。
<むつき>
ナッツは運動音痴なココに代わって新体操で大活躍。ファッションセンスも良く、男子にモテモテになっていく。一方のココはナッツの体でスポーツについていけず、泣いてばかり。
<シノブ>
男になった女がナヨナヨしちゃうのは定番……だけど、ファッションセンスもナッツの方が上で、ナッツの入ったココの方が可愛いというのはもう完全に形無しだね。
<むつき>
んで、ココになったナッツの活躍で一気にオリンピック出場へ。やー、さすが児童向け漫画はカッ飛んでますな。
<シノブ>
作中にバルセロナオリンピックとか出てくるのが時代を感じさせるね。
<むつき>
ちなみにこの単行本、十年くらい前にたまたまブックオフで見つけて買ったんですけど、読んでみたら当時リアルタイムで読んだ内容とかなり違っててビックリしました。
<シノブ>
この漫画は二度連載されていて、第一期と第二期では人物や設定は同じだけどストーリーが違うらしいですね。第二期は続編ではない全くの別物で、単行本に収録されているのは第一期のみ。
<むつき>
自分がリアルタイムで読んだのは第二期なんですな。内容はもううろ覚えですが、ひとつ覚えてるのは……
初めて入れ替わりが元に戻った後、ココは元の体に戻れた嬉しさのあまり母親に「一緒にお風呂に入りたい」と言い出す。一方その頃、成績の悪いナッツは教室で居残り勉強。イヤになって逃げ出すためにわざとくしゃみして入れ替わったところ、ちょうどお風呂で美人ママが入ってくるところでビックリ。
<むつき>
……っていうようなオチの一話があったような。あと第二期の最終回では、ココが転校で離ればなれになることが決まり「どうしよう、このままじゃ元に戻れない!」という感じで……。
<シノブ>
へぇ~。そっちも読んでみたかったですねぇ。
<むつき>
とりあえず、古い本なので入手は少し難しめかもしれませんが、私の思い入れの強い一作としてご紹介しました。