<むつき>
またまた狩野景さんの作品を。今年1月に発売されました。本当はもっと早く記事書きたかったんですが……(汗)。
『換身の騎士アルベルト 淫靡な魔女と入れ替わった肉体』
著:狩野景 絵:緑木邑
http://ktcom.jp/books/2dn/2dn335
あらすじ:
悪逆非道を働く魔女ナスタロヴィカの
討伐に向かった騎士アルベルトは
魔女の捕縛に成功する。
しかし不意を突かれ、
怪しげな術で身体を入れ替えられてしまう。
何も知らない彼に、虐げられた民たちの
復讐の牙がむかれる――。
かつての仲間や民衆が見守る中、
これまでの仇とばかりに徹底的に嬲られてしまい、
さらには祖国に戻った後にも
卑猥なショーを強要されることに。
実の弟や部下の性欲のはけ口にされ、
開発された肉体の悦びに溺れていく……。
<むつき>
いっやー、あらすじ読んだだけでかなりゾクゾクくるものがありましたけど、実際読んでみたら期待に違わぬ満足度! やっぱりこのお方はホントにTSを分かってらっしゃるなー。
<シノブ>
見た目は魔女の体だから、中身は騎士なんだと訴えても全く伝わらない。そればかりか本来の自分を尊敬してくれてる人たちから、その尊敬する騎士の仇として本気の憎悪をぶつけられるという……まさに入れ替わりモノならではの凄い倒錯感です。
<むつき>
またこの文章にしても挿絵にしても、魔女の肉体の描写がうまくてそそられます。童貞どころか自慰すら知らなかったという清廉な男が急にこんなムッチムチの魅惑的な肉体になっちゃったら、そりゃー頭おかしくなるに決まってますわな(笑)。全編通じてみっちりと女の体で身も心も侵されていくので、一冊読み終わったらホントお腹いっぱいって感じですよ。
<シノブ>
狩野さんの他のTS作品は全てあとみっく文庫ですが、こちらは二次元ドリームノベルズ。レーベルカラーとして「戦うヒロインが陵辱される」という傾向が強いみたいですね。この作中でも和姦はほとんど出てこない(あってもパッと見はほとんど輪姦と変わらない)という徹底ぶりだし。
<むつき>
実言うと私は個人的に、そういう一方的にいたぶられるばかりの話は苦手なんですけども……それでもこれはTSとしてかなり秀逸なんで、そういう好き嫌いは超えて十分楽しめましたよ。
<シノブ>
狩野さんは『ピルグリムメイデン』『目覚めると従姉妹を護る美少女剣士になっていた』では女体化モノ、コレは入れ替わりモノで『ツイてる勇者さま!』は憑依モノ。主要3形態全て制覇しましたね。
<むつき>
それだけでも偉業と言っていいのに、またそれぞれのクオリティが高いから凄い。
<むつき>
ようやく買いましたよコレ。近所の本屋で売ってなかったんで結局Amazonで注文して、キャンペーンもAmazonで申し込みました。
<シノブ>
前回自分であれだけ言ってたのは何だったんだか……。
『ツイてる勇者さま!』
著:狩野景 絵:ちり
あらすじ:
少年魔王アーヴェンガルドは、
女勇者クラリスに打ち倒されたはずが、
魂が彼女に憑依しちゃった!?
宿主である女勇者が気付かないのをいいことに、
パーティの女剣士や女魔導士と危険な関係をもったり、
果ては純朴な青年騎士にまで誘惑かけたりとやりたい放題!
――憑依されてしまった女勇者に、
安息の日は訪れるのか!?
<シノブ>
『ピルグリムメイデン』『目覚めると従姉妹を護る美少女剣士になっていた』『換身の騎士アルベルト』など、TS小説で名作の多い狩野景さん。最新作は憑依モノです。
<むつき>
憑依の形としては、体の持ち主である女勇者が気を失ったら魔王が行動し、魔王が気を失ったら女勇者が行動するという交代制。体の支配権はイーブンという少し珍しめのパターンです。
<シノブ>
確かに憑依モノというと、憑依した側が一方的に主導権を握るか、精神同居状態で常にコミュニケーション取ったりせめぎ合ったりというパターンが多いですよね。
<むつき>
私はTS以外に「多重人格」というのも個人的に萌えジャンルなんですが、それと重なる要素も多いのでツボに入りました。魔王が男を誘惑して犯される寸前のところでわざと自ら気絶して、突然交代した女勇者を混乱に陥れるシーンなんか、うまく設定を活かせていて好きでしたね。
<シノブ>
女勇者の方は魔王に憑依されていることを知らず、記憶が途切れている間の“自分”の行動に翻弄されていく。「憑依される側」の困惑する様子も多く描写されているのも面白かったです。
<むつき>
狩野さんはあとみっく文庫で前述の『ピルグリム』と『めると』をそれぞれ3巻出しているので、是非ともコレも続刊期待!
<むつき>
ご無沙汰しまくってます、管理人むつきです! いつも遅れた情報ばかり載せてきた当ブログですが、今回は違いますよ! このたびキャンペーンに乗って応援バナーを設置してみました! 本日発売、あとみっく文庫『ツイてる勇者さま』です!
<シノブ>
1年近くブログ放置してたくせに、こんな時だけ急に反応するとは……目ざといというか何というか……。
<むつき>
何を言います。まるでキャンペーンの特典目当てで飛びついたみたいな言いがかりはやめてくださいな。
<シノブ>
自分で言ってるよねハッキリと!
<むつき>
と、冗談はその辺にして、真面目に応援のほうを。著者の狩野景さんといえば、以前このブログでもご紹介した『目覚めると従姉妹を護る美少女剣士になっていた』がもう3巻まで出てますし、他にも『ピルグリムメイデン』や『換身の騎士アルベルト』など、最早エッチなTS小説の第一人者といっても過言ではない御仁ですよ。これはもう、せっかくブログやってるからには応援させてもらわなければ。
<シノブ>
内容は憑依モノ。あらすじを読んだだけで憑依ファンのストライクゾーンにビシビシ決まる期待が持てて楽しみですね。
<むつき>
いやもう、キャンペーン云々はさておき一TS好きとして速攻で読みたいですよ!
<シノブ>
それはいいけど、買って読んだ後に感想書くのも忘れないでよ?
<むつき>
あ、ああハイ。
<むつき>
今回は初めて小説をご紹介したいと思います。
『目覚めると従姉妹を護る美少女剣士になっていた』
著:狩野景 絵:天鬼とうり
あらすじ:
退魔師の分家筋に生まれた一条遼は、
ある夜目覚めると身体が女になっていた!!
さらに時を同じくして従妹の結女が、
鬼への生け贄「鬼慰姫」として狙われ始める。
遼は結女を守る「鬼斬姫」の役割を果たすため、身体が女体化したらしく!?
鬼斬姫となって退魔の力を得た遼は、
果たして鬼たちの手から片思い中の従妹を守れるのか!?
<シノブ>
タイトルも公式あらすじもド直球ですね。
<むつき>
これくらい分かりやすいと言うことないッスな。あとほとんど説明する必要ないような(笑)。
<シノブ>
特に目を引くのは、やっぱり女体化した遼のナイスバディっぷりですね。はちきれんばかりの巨乳。それに美少女剣士ということで、変身すると別人のようにキリッとした顔になるところも。女になった方が目が小さくなるって珍しいパターンかも。
<むつき>
しかしキリッとするのは見た目だけで、性格はあんまし変わらない。おかげで作中を通して遼はほぼ自分の女体に翻弄されっ放しで、しばしば快楽に流されてしまうのがイイ。
<シノブ>
それにしても、このあとみっく文庫っていうのは、レーベルとしてはどういう位置づけなの? ライトノベル? それとも18禁?
<むつき>
「ちょっとエッチなライトノベルレーベル」とのことで、一応18禁ではないらしいね。文中では性表現もハッキリとたくさん出てくるけど、イラストでは性器の直接的な描写はない。
<シノブ>
確かにAmazonでもアダルト指定されてないし、全年齢向けってことで大丈夫なのかな?
<むつき>
とりあえず軽いノリで読めて、なおかつTS的にもボリューム十分。著者もTSをよく分かっている人のようなので、買って確実に損はない! と思います。
はいどーも、むつきです。実に4ヶ月半のご無沙汰でした。
<シノブ>
アンタ今まで何やってたのよ……!
<むつき>
春が来たということで、いま冬眠から目覚めました!
<シノブ>
ハァ? ……ああ、そういえば今日は4月1日……。
<むつき>
そうです。例のウソついてもいい日です。
<シノブ>
これだけ長いことブログ放ったらかした言い訳を、まさかエイプリルフールネタに使うとは……呆れてモノも言えないわ。
<むつき>
この冬はずっとなかなか更新できなくて、ジリジリやってるうちにいつの間にか4月になっちゃいましたんでね。このタイミングで何とか立て直して、今年度は更新を増やしていきたいと思います。
<シノブ>
ホントかなぁ……?
『霊媒師いずな』真倉翔+岡野剛
第48話「殺人鬼いずな(前編)」(スーパージャンプ2010年11月24日号)
<シノブ>
連続殺人犯が逃亡中に死亡。未発見の遺体を捜す警察の依頼を受け、ヒロインいずなは犯人の霊を呼び戻します。
<むつき>
取り調べ自体は無事に終了。しかしクタクタになって帰宅したいずなが風呂に入っていると……
<シノブ>
何とさっきの殺人鬼の霊が襲いかかり、いずなの体にとり憑いてしまいます!
<むつき>
いっやー、この体を乗っ取られる描写が実にそそりますな。
<シノブ>
殺人鬼・塞胡魔太郎はまじめで清楚な女性を殺すことに快楽を覚える男。新たな快楽を求めていずなの周囲の女性を狙います。
<むつき>
エロ要素も含みつつの悪堕ち展開がゾクゾクきますね。憑依って変身や入れ替わりと比べて数が少ない上に、あってもMC的な意味での憑依と区別しづらいパターンもあって、こういう満足度の高いTS憑依モノは貴重だと思いますよ。
<シノブ>
前編なので、続きでもうひと盛り上がりあるといいですね。次号スーパージャンプは11月24日発売です。
<むつき>
最近、成人向け漫画の読み切りにTS該当が多いんですよね。これからいくつかチェックしていきたいと思います。
『正しい魔術の遊び方』
八尋ぽち(ヤングコミック)
・概要 入れ替わり
主人公の友人と宅配ピザの女店員が入れ替わる。
<むつき>
主人公・鮫島貞夫は、友人の家にピザ配達に来た爆乳店員に顔を笑われた。怒った貞夫は腹いせに黒魔術を使い、友人と店員の肉体を交換してしまった。
<シノブ>
入れ替わりって魂が入れ替わるパターンが多いけど、これは肉体が入れ替わるパターンなんだね。配達から帰る途中に男になっちゃった店員はどうなったんだろ。
<むつき>
貞夫は戸惑う友人をそそのかし、まず服を脱いで胸を揉ませ、
<むつき>
さらにおしっこ、
<むつき>
そしてオナニーへと突き進みます。
<シノブ>
何で大事な部分を隠すように撮ってるの?
<むつき>
こういうのってブログでどこまで載せていいか分からないもんで。
<シノブ>
友人が女の体でイッたのを見た貞夫はムラムラが限界に来て犯しにかかりますが、友人は必死で抵抗。結局一旦元に戻すことにしました。
<むつき>
ところが貞夫は、今度は肉体ではなく魂の方を交換します。女の魂が元の体に戻ってくると、既に貞夫にハメられた状態で、そのまま為す術なくセックスさせられてしまうのでした。
<シノブ>
ラスト3分の1くらいはTSと関係ないのが惜しいけど、前半の描写はなかなかイイね。
<むつき>
最初は肉体を入れ替えて、戻す時は魂を入れ替えるっていうのもなかなか面白い。
<むつき>
前回更新からまた3ヶ月空いてしまったわけですが、何事もなかったかのように再開したいと思います。
<シノブ>
とうとう開き直ったよこの人。
『憑りつけっ』
サークル「Teiresias」(同人誌)
・概要 憑依オンリー
憑依のみを扱った漫画1本+小説5本の短編集(18禁)
<シノブ>
今回は初めて同人誌の紹介ということで。
<むつき>
先月の夏コミに行って買ってきました。このサークルは以前から何冊も良作のTS同人誌を出してるんですけど、今回は収録作全て憑依という思い切った趣向ですね。どれも少しずつ違ったシチュエーションですが、共通するのは憑依ならではの「他人の肉体、ひいては人生まで奪ってしまう」という征服感・背徳感。この辺の描写がどの作品もしっかりしているので、ホント読んでてゾクゾクしますよ。
<シノブ>
評判もかなり良いらしいですね! 夏コミで買ったって話だけど、今からでも買う方法はないの?
<むつき>
夏コミと同時にメロンブックスで委託販売してます。最初は即日完売、再販かけたけどまた売り切れといった調子で、予想以上の売れ行きに主宰者のnekomeさんもてんやわんやなご様子でした。
<シノブ>
何という大人気……! 同人誌って漫画がメインだと思ってたけど、小説でも売れるモノは売れるんですねぇ。
『憑りつけっ』特設ページ
http://shop.melonbooks.co.jp/shop/sp_212001032371_teires_torituke.php
<むつき>
実は私カープファンなもので、最近連載の始まった『球場ラヴァーズ』目当てにヤングキングを購読し始めたんですけど。
<シノブ>
少年画報社から月2回発売している青年漫画誌ですね。
<むつき>
それ読んでたらたまたま別の漫画でTS該当があったんで、ご紹介しときます。
『聖者は夜やってくる』
神崎将臣(ヤングキング)
・概要 憑依
“死神”を名乗る悪霊は、次々と人に乗り移って犯罪を犯させていく。
<むつき>
途中から読み始めたもんで、あんまりストーリーは分からないんですが。警察に追い詰められた死神が、主人公の彼女で警察官の女性に憑依しています。
<シノブ>
味方が一転して敵になってしまうという展開も、憑依モノの醍醐味のひとつですね。あと味方の体を人質にして手出ししづらくさせるとか。
<むつき>
僅か3ページほどでしたけど、「ほおー いい身体してやがんなー」とか、それなりにTS的にそそるセリフもありましたね。偶然見つけたのはラッキーでしたわ。
『ないしょのココナッツ』
富所和子(小学館 1993)
<むつき>
今回からTS作品の紹介をしてみようと思います。
<シノブ>
ようやくTSサイトとしての体裁を整えようという感じになりましたね。
<むつき>
まァTS作品と言ってもたくさんあるし、他所のサイトでもたくさん取り上げられてるし……ってことで、何から書けばいいのか迷ったんですが。とりあえず今回は、私がこの道にハマったきっかけの作品、『ないしょのココナッツ』で。
・概要 入れ替わり
小学三年生のココ(内木香子)とナッツ(山口夏樹)は、くしゃみをすると体が入れ替わる。
<シノブ>
前にもチラッと話に出た漫画ですね。管理人さんの人生に取り返しのつかない影響を与えたという……。
<むつき>
ええ、ええ。コレの連載当時ちょうど小学生だったもんで、思い出深い一作です。入れ替わりというのを生まれて初めて見たんで、子供心に凄まじい衝撃でしたな。
<むつき>
ナッツは運動音痴なココに代わって新体操で大活躍。ファッションセンスも良く、男子にモテモテになっていく。一方のココはナッツの体でスポーツについていけず、泣いてばかり。
<シノブ>
男になった女がナヨナヨしちゃうのは定番……だけど、ファッションセンスもナッツの方が上で、ナッツの入ったココの方が可愛いというのはもう完全に形無しだね。
<むつき>
んで、ココになったナッツの活躍で一気にオリンピック出場へ。やー、さすが児童向け漫画はカッ飛んでますな。
<シノブ>
作中にバルセロナオリンピックとか出てくるのが時代を感じさせるね。
<むつき>
ちなみにこの単行本、十年くらい前にたまたまブックオフで見つけて買ったんですけど、読んでみたら当時リアルタイムで読んだ内容とかなり違っててビックリしました。
<シノブ>
この漫画は二度連載されていて、第一期と第二期では人物や設定は同じだけどストーリーが違うらしいですね。第二期は続編ではない全くの別物で、単行本に収録されているのは第一期のみ。
<むつき>
自分がリアルタイムで読んだのは第二期なんですな。内容はもううろ覚えですが、ひとつ覚えてるのは……
初めて入れ替わりが元に戻った後、ココは元の体に戻れた嬉しさのあまり母親に「一緒にお風呂に入りたい」と言い出す。一方その頃、成績の悪いナッツは教室で居残り勉強。イヤになって逃げ出すためにわざとくしゃみして入れ替わったところ、ちょうどお風呂で美人ママが入ってくるところでビックリ。
<むつき>
……っていうようなオチの一話があったような。あと第二期の最終回では、ココが転校で離ればなれになることが決まり「どうしよう、このままじゃ元に戻れない!」という感じで……。
<シノブ>
へぇ~。そっちも読んでみたかったですねぇ。
<むつき>
とりあえず、古い本なので入手は少し難しめかもしれませんが、私の思い入れの強い一作としてご紹介しました。